2024年9月17日(火)今日のこと

日記

昔ヤフーブログをやっていた時にこんな記事を書いたことを思い出した
忘れないように書き留めておこう

風呂場の曇った鏡に指を当てて線を引く 引かれた線は鏡本来の機能を取り戻す
だが時間が経てば水蒸気に覆われる
これを人生に例えたことがあった

命が宿った時は指が鏡に置かれた時 線を引いているのはまさに人生を歩んでいる時間
指の先には水蒸気に包まれた鏡 それは無垢の未来 そこに自分の時間を刻んでいく(線を引き続ける)時間が進んでいくと同時に自分が築いた(線を引いた)過去は
少しずつ風化(水蒸気に包まれていく)していく

自分の時間が終わる時は鏡から指が離れる時
もう先の水蒸気(未来)を指で拭き取る(築く)事はない

更に時間が経てば指で線を引いた線は元の水蒸気に覆われ消える
誰もそこに線が書かれていた事に気が付かない

人類の長い歴史の中にはこの線が消えずに残っている時がある 
偉業を成した人 大きな出来事などは語り継がれ本になり後世に受け継がれていく

だが多くの人々のそれはない 
時間が経てば水蒸気が覆いかぶさり引いた線は消えていく 
誰に見られることもなく
ページをめくることもなければ(そもそもページ自体が存在しない)語り継がれることもない

消えて(風化して)しまった無数の線 
しかしそれは確実に存在していた 
そこには歴史が存在していた

個々の歩んだ人生 ひとつひとつの線の中には
その人が主人公のノンフィクション物語が確実に存在していた

その物語を見ることは出来ない 
テレビを点けてもラジオを点けても語られることはない

自分が作り出した物語は誰に知られることもなくひっそりと消えていく
でも路傍の石や何処にでもある木々たちが物語を見ていたかもしれない 
物言わない彼らは目撃者なのかもしれない

もし自分を覚えていてもらいたいなら日記をつけるのが良いだろう 
自分の人生の断片だけでも人に知らすことが出来るから

指で引いた線は時間が経っても少しだけ残るかもしれない

指が鏡の線を引いている間に何をすべきか 

指が鏡から離れる時間は意外とあっという間かも

今何をすべきか 指がまだ鏡に置かれている今 何をすべきか

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